■■ 目次 ■■
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1.考える楽しさ
2.個人の発想法
3.グループの発想法
4.発想の応用
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1.考える楽しさ

 発想と言うテーマを中心に多面的に思いつくことを書いてみました。

1-1. 本当の楽しさ
   「好奇心が強い   「好奇心が強い
    ---> 感覚が鋭くなる     ---> たくさん知る
    ---> 新しい発見を楽しむ     ---> 組合せて創造を楽しむ
    ---> 好奇心が強くなる」      ---> 好奇心が強くなる」
 こんな好循環が理想的です。 「物を見ること、物を知ること、創造すること」 それ自身の楽しさを大切にして下さい。
 サルや子供の何時までも楽しんで遊ぶオモチャに対し、そのオモチャの中にアメを隠し入れたりすると、次からはすぐアメを探し、アメが見つからないともはやそのオモチャでは遊ばなくなるそうです。 名誉とか、特許の表彰とかいうアメは 「発想する楽しさ」 それ自体にとっては有害なのかもしれません。
 人の体は働き汗をかくと快感と満足を得る様に出来ています。 自己鍛練、趣味への没頭、権力拡大、財力拡大、地位向上、芸の探究、‥等それ自体に楽しさを見つけて汗を流してください。 自分の仕事それ自体に楽しさを見い出すとその仕事は天職と呼ばれます。
 「天才とは1%の才能と99%の快汗である」 〔 エジソン? 〕

1-2. 生物の創造
 ハエの飛びかたは重力を無視した奇跡です。 空気中を前後左右にかなりの速さで飛び、ハエタタキで飛んでる途中に叩き落とそうとしても、自由に方向を変えて逃げてしまい、また横向きでも逆さまでも止まります。
 二本足で歩いたのはサルだけではありません。 恐竜の一部も二本足で歩き、あいた手を空を飛ぶ翼に変えました。 海から陸に上がるには足の創造が必要でしたが、陸から空を飛ぶには羽の創造が必要だったのです。
 特殊な進化をさぼっていた人の手の方が鳥の羽より雑用に向くと言う皮肉な結果になりました。
 物の開発では人の手のように特殊な目的に対する効率より汎用性を持たせるか、鳥の羽のように汎用性より特殊な目的に対する効率を上げるかはいつも慎重に決めてください。

1-3. 創造的仕事
 創造を仕事とする人達は 「異質の物の組合せ」 を創造の手掛かりとしています。
 以下の章で詳しく述べますが、創造の基となる発想の時 「善悪、良否の判断」 を忘れて下さい。
 英国の映画製作に助成金を出していた協会が資金不足のために脚本の段階で審査をし、良い作品となりそうなものだけに助成金を出したところ、グランプリをとる様な作品が出来なくなったそうです。
 始めから良いものを意識すると返って良いものが生まれないのかもしれません。

1-4. 創造的
 進化論が唱えられるまでヨーロッパでは 「神が自分の姿に似せて人を作った」 と信じられていましたが、ダーウインの 「サルが人に進化した」 という新しい世界観にヨーロッパ中が落胆したといいます。 しかしラマルクが 「人の進化は単に環境に適応する進化ではなく創造的進化だ」 と主張したのを聞いてヨーロッパ中が安心したそうです。
 「創造的」 と言う一つの形容詞に宗教的な魔力を感じます。

1-5. 代償としての創造
 女は子供を産めます。 子を生めない男は無意識の劣等感から 「生む」 とか 「創造」 と言う言葉にことのほか敏感で、生きるための使命をほかに探します。 結局は、創造、権力、地位、金、などを生きがいとし、これにより女を軽蔑し優越感になぐさめを見つけるようです。

1-6. 逆説の主張
 大昔、母親と子供の関係はすぐ分かり母系制社会でしたが、農耕が始まり力の強い男が生産に有利で次第に権力を握り父系制社会へと変わってきました。  宗教もこの父系制社会を思想的に支える役を演じました。 例えばキリスト教の旧約聖書には 「神はアダムを創造し、次にアダムの肋骨からイブを創造した」 と書かれています。
 どうしても男から女が生まれたと男有利を主張したかったのでしょう。

1-7. 人と違うことをする風土
 日本は四季が明確で皆なと同時に種をまき同時に刈り取る農耕民で、他人と同じことをしないと生きて行けなかったようです。 遊牧民は隣人の通った後には草がなく、他人と違うことをしないと生きて行けないそうです。 創造には遊牧民の風土の方が向いているのかもしれません。
「赤信号、皆なで渡れば怖くない」   〔 ビート・たけし 〕
「クモの糸一人で登れば怖くない」   〔 芥川龍之介? 〕

1-8. 民族の創造性
 イギリスは産業革命で製造業が成長するときヨーロッパからは大陸技術を学び取るだけで創造性に乏しいと非難されました。
 次にアメリカは自動車産業で成長するときイギリスとヨーロッパから技術を学び取るだけで創造性に乏しいと非難されました。
 その次に日本は電子産業で成長するときアメリカから技術を学ぶだけで創造性に乏しいと非難されました。
 民族の創造性もまた他民族のサルマネから始まります。

1-9. メンバーの役割分担
 群れを成す動物の共同社会では、各メンバーが自分の特異な能力を発揮して全体に貢献しようという本能があります( これが達成できると自己実現の満足感あるようですが、闘争本能が強すぎると自己主張が過剰で孤独になるようです )。
 夫婦は家族の最小単位ですが、性格や気性が全く逆の男女が一目惚れするようになっています。 障害に対してお互いに得意な分野で補い合い、かつ特定の性格や気性が子孫に偏ってしまわないためでしょう。
 発想の得意な人のパートナーは規則を守る几帳面な人が最適かも知れません?

1-10. 全体と部分の調和
 手にケガをして皮膚が一部なくなると元の状態まで増えますが、それ以上増えません。 もし皮膚が自己主張をして増えつづけると、ガンと同様全体が成り立ちません。
 群れをなす動物は本能で全体との調和を取りますが、人では宗教が全体の調和を取ることを教えてきました。 無宗教の人は自覚により全体との調和を取る義務があります。 宗教も自覚もない人は回りのブーム、モード、ムード、フアションに流される不和雷同型が多いようです。
 発想にもブームがありそうです。 同じ年に例えば両面プリンタや電子新聞の特許出願依頼が何件も集中することが珍しくありません。
 ユングの心理学では民族( 人間 )の意識は皆なつながっているためだそうです。

1-11. 天才の悲劇
 全く新しいものへの感覚的抵抗は強烈です。 印象派の画家が始めて女の人の肖像画を発表した時 「お化けを描いている。」 と批評されました。
 科学の世界でもガリレオが地動説を支持して宗教裁判にかけられた例があります。
 ゴッホは経済的には極貧で食べ物を削って絵具を買いモデルが雇えず痩せた自画像を多く描いていますが、黄色に輝く太陽にゴッホはしびれる程感動した筈です。 その最高の感動を少しでも皆に伝えようと描くことに酔いしれた最幸の人でした。 この息詰まるような強烈な筆使いが共感されるのは彼の死後数10年もたってからです。

1-12. 知恵の発達
 人類の知恵が餌を取るに充分である以上に発達したのは人間同士がお互いにだまし合い、奪い合い、殺し合い、共食いし合って、友磨きされた結果と言われています。 他の哺乳類には仲間を殺して食べる残忍さはみられせん。 特に自然環境の貧しい砂漠の住民は他人の命や物を奪う事は自分が生るために当然なことと考えていました。
 その殺伐とした世界でこそ 「人を愛する」 ことを教えるキリスト教の誕生が必要だったのです。

1-13. 区別
 水鏡を見て自分だと分からなかった犬は川に肉を落としてしまいます。 鏡を見慣れたチンパンジーは、寝ている時に気付かれない様にマユにペンキを付けておくと、目を覚まして鏡を見、自分のマユに手をやって取ろうとするそうです。
 一卵性の双子はいつも皆から間違われるので、自我意識が目覚める時、自分とは何かと深刻に悩むそうです。
 体によそ者が入るとキラーT細胞が襲います。 生まれたままのキラーT細胞は自他の区別ができず、甲状腺で教育を受け、自他の区別のできないキラーT細胞は吸収されてしまうそうです。
 学習する事ができるのは脳細胞だけではないのです。
 赤チャンは両親の顔をすぐ見分けます。
 コンピュータで人を見分ける事は不可能です。 現在、映し出された哺乳類の区別をする事も出来ません。 区別をするための同じか違うかのチエックリストには、同じ点の項目と違う点の項目のどちらも無限大の項目が登録できるのです。
 蝶やクモには沢山の種類がいますが、正確にパートナーを見つけるのは驚きです。

1-14. 無意識の認識
 ヨーロッパで算数の問題を出すと答えの数だけ前足を打つ馬が評判になりました。 学者が調べた所、その馬は問題を出されると前足を打ちはじめ人の表情から答えを察して前足を打つのを止めることが分かったのです。
 ボディランゲージは動作で意識的に意志を伝えるだけでなく、サインを送る方も受ける方も無意識に通信します。 例えば幼児( 一般に哺乳類の幼獣 )の瞳が大きいのは 「愛されたいサイン」 で、大人でも恋する相手に合うと動悸が早くなる以外に瞳が大きくなります。
 マンガの主人公は瞳を大きく画くのが普通ですが、スヌーピーやちびまる子ちゃんのように逆に 「目が点」 の主人公もいます。
 映画で10数コマに一回の割合でコカコーラの宣伝を写すと見ても分かりませんが、コカコーラの売上が増えたと報告さています( 思想の洗脳等に使われると困るので、現在映像にこの種の宣伝を入れることは禁止されています )。
 虫の好かない相手はお互いに敵意のサインを送り合っているのでしょう。

1-15. 反抗期
 囲碁の実力は一般に階段状に登って行きますが、次の段に昇る直前に実力が前より落ちる期間があり棋士はこの期間をトンネルと呼びます。
 棋士でトンネルに入るのは50才を過ぎても努力を続ける人は経験するといわれ、その期間は長い時には5~6年もかかるそうです。
 デンマーク体操は両手と両足を対象には動かしません。 先ず右側だけの動きを覚えて、次に左側だけの動きを覚え、最後に両側の動きを合わせます。 両側の動きを合わせる段階では既に習得したはずの右側と左側の動きがバラバラになる時期があり、普通の人でもこの時にトンネルを経験します。 始めから右側と左側を一拍づつ積み重ねて段々早くして覚える時にはスピードを上げてゆく途中で両側の動きがバラバラになるトンネルがあるようです。
 人の能力も段階的に成長するのでしょう。 若者は成長期に努力をしなくても反抗期と呼ばれるトンネルを通過するようです。
 少女が眠りに入り目覚めて女になる物語( 白雪姫、美女と野獣、など )は世界中にあります。 これは反抗期のトンネルに若者は無茶するなと言う教訓でしょう。
「トンネルを抜けると雪国だった。」   〔 川端康成 〕
 負け犬の人生を書いた小説の書出です?
「尺取り虫が縮むのは伸びるためなり」   〔 中国の諺 〕

1-16. 能力の成長
 使わない器官が退化する( 無用縮退 )のは無駄な組織を早く切り捨てる生き物の適応です。 例えば交通事故で一月寝ると足のケガでなくても普通に歩くのに歩行訓練がいります。 植物人間で8年寝込んだ人の脳は5分の一に縮小していたそうです。
 使わない筋肉や能力が退行するのと反対に使う筋肉や能力は充実し、生体は流動的に変身しようと努めます。
「楽は極めるべからず」   〔 中国の諺 〕
 古道具屋の小僧は薄汚れたものの中に隠された芸術品の価値を見いだす練習を積みそれが出来るようになります。 発想に限らず充実させたい能力や筋肉は積極的に使って鍛えて下さい。
 人は百才をこえても一生成長し続ける神経細胞を持つそうです。

1-17. 超能力
 ヨガの中でも特にタントラ派は体の七つのチャクラ( 神経中枢または特別組織、例ば甲状腺、第三の目の場所、尾テイ骨等 )を活発にさせると各種の超能力が得られると教えます。 胃の後ろのチャクラは医学的には太陽神経神ゴウと呼ばれますが、このチャクラは恐竜の時代に全身を制御した当時脳より優れた神経中枢です。
 時々体が長い毛で覆われた人が生まれ先祖帰りと言われます。 人が今までの進化の途中で獲得した能力で現在既に失った能力も沢山あるはずです。 他の生物に見られるけれど人間は持っていない能力を持つ人は感覚や能力の先祖帰りかも知れません。

1-18. 能力の限界
 突然の災害の時腰がぬけたり言葉が出なくなったりします。 矢や弾の飛び交う戦場に始めて出ると、多くの兵士が恐怖から大便や小便を漏らすそうです。
 帝政ロシアでは思想犯に対して 「銃殺刑に決め、発砲の直前で使者が飛び込んで来て、特赦で助ける」 と言う芝居をしました。 このショックで半分以上の思想犯は処刑しなくとも廃人になったと言われています。
 火事場で馬鹿力が出せるのはボヤのうちかもしれません。

1-19. 脳の消費エネルギー
 人の脳の重さは体重の20分の一程度ですが、一日の全消費エネルギーの4分の1を消費するそうです。 また、6分間酸素の補給が止まると脳細胞は死亡するので、仮死状態が10分以上続くと心臓マッサージなどで体は生き返っても脳の回復は絶望的です。
 注意:人の一日の全消費エネルギーの70%以上は体温の保存に使われます。 遭難した時、何日生き残れるかは体温の発散をどれだけ少なくできるかで決まります!ただし、普通の時は薄着で体温を沢山消費する方が健康的です。
 老化で呼吸が衰えると最も影響を受けるのは脳でしょう。

1-20. 思考型
 考えてばかりいてなかなか行動しないハムレットは思考型、考えないで騎士道にひたすらに打ち込むドン・キホーテは行動型、この両者が両極端な人間像であると言われています。
「ハムレットは考えに酔い、
   ドン・キホーテは行動に酔う、
      会社には土ヨウも通ヨウ 雇ヨウ人」   〔 踊るアホウ 〕

1-21. 思考の癖 
 サルの檻の中に天井からバナナをぶら下げ、回りに机と椅子と棒を置いて、以上の3つを組み合わせないとバナナが取れないようにしておきます。 チンパンジーは棒だけ、机と棒、椅子と棒、等いろいろ試してやっとバナナを取りますが、オランウータンはバナナが欲しいのか欲しくないのかじっと考えていて一端動きだすと机と椅子と棒を組み合わせて一度の試行でバナナを取るそうです。
 西洋人にはチンパンジー的な試行錯誤型の人が多く、東洋人にはオランウータン的な沈思黙考型の人が多いと言われています。
「ニホンザルは間違ってから反省し、
   チンパンジーは途中で反省し、
      オランウータンは反省して動かない」   〔 反省ザル 〕
「フランス人は走ってから考え、
   イギリス人は走りながら考え、
      ドイツ人は走る前に考える」   〔 ヨーロッパの諺 〕

1-22. 知恵の価値観
 キリスト教は愛を基本にして 「真善美」 を三つの目標としたので、これが価値の尺度です。 真理追求は 「神の創った世界をより理解し神の御技を讃えるため」 でした。
 知恵のリンゴを食べて神の国を追われ、真理を追求する知恵には価値を認めません。
 近世の思想で 「科学的真理を利用し自然を改善すれば幸せになれる」 と考えられてからは、科学的真理と真理を追求する知恵に価値があると考えられています。
「知恵の神シレノスは酒の神バッカスの弟子となり幸せを得た」  : ギリシャ神話
「知恵は遊びを楽しむ幸せが得られる」  : 古代インド 

1-23. 理由がわかると安心
 催眠術師が被術者に 『目が覚めて私が手を打つと窓を開けなさい。 開けろと言われた事は忘れます。』 と暗示をかけて覚醒させます。 覚醒後催眠術師が手を打つと被術者は窓を開けますがそこで被術者に 『なぜ窓を開けたのですか?』 と聞くと 『外の景色が見たくなったから。』 とか 『良い空気が吸いたくなったから。』 等、合理的な理由を付けます。 この理由付をラショナリゼーション( RAIONALIZATION )と言います。
 無意識の願望や衝動で罪を犯しても心理学者が後から理由を解説し、科学者は数式を使って自然現象を説明し、占星術者は星の動きを使って人の運命を説明します。
 大昔から説明が出来なくなると皆な神や仏などのせいにして安心ます。

1-24. 不幸の理由
 仏教では不幸の原因はその人が悪い事をした結果だと教えます。 それで説明できない時は親が悪い事をしたからだ、祖先が悪い事をしたからだ、とか前世に悪い事をしたからだと納得させます。 一般に宗教は良い事をすると幸せになれ、この世で幸せになれない時はその分死んでから幸せになれると教えます。
 ユダヤ人達は奴隷として捕らわれたのはユダヤ民族が自分達の神メシアの戒律を守らなかった罰で、エジプトからの帰還は民族の刑が許されたと考えます。 だからメシアとの契約を守るとユダヤ民族が幸せになれると教えます。
 自我の目覚めに伴い民族を救うユダヤ教から個人を救うキリスト教が生まれました。 父なる神と聖母マリアから神の子イエスが生まれた不自然さを改良してイスラム教が生まれました。
 多神教古代エジプトの太陽神ラーとイスラム教の唯一絶対神アラーとは何かしラー糸でつながっている気がするのですが?

1-25. ナゾナゾ
「宮沢りえと掛けて何と解く?」 ---> 一段のナゾ
   答え 「貴花田と解く。 その心は、仕事着はフンドシ一本」
「宮沢りえと掛けて貴花田と解く。 その心は?」 ---> 二段のナゾ
   答え 「仕事着はフンドシ一本」
 上の一段のナゾは何と解いても良く、その心として解いたものとの共通点を見つけるので大変です。
 下のような二段のナゾにすると宮沢りえと貴花田との間の共通点を見つけろと言う簡単な問題に変わります。
 禅宗に入門すると公案と呼ばれるナゾを解けと問題がだされます。
「ハシゴを一番上まで登ったて、更に一段登るとは?」
「父母の生まれる以前の自分とは?」 とかの難問です。
 上例に習ってこの一段のナゾナゾを二段のナゾナゾに変えると、
「ハシゴを一番上まで登って更に一段登ると掛けて悟りと解く。 その心は?」
 答え 「生きることは理屈を越えている」
 仏教は先ずこの世は因果の世界だと教え、次に因果から解脱して悟れと教えます。
 まちがってもハシゴの上から落ちて、母なる大地ともろに抱き合わないで下さい。

1-26. 別の視点( 価値も逆転 )
 仏教では枕経と呼ばれどの宗派も取り入れている 「般若心経」 は悟りについて説きこれほど尊いお経はこの世に2つとないと言いながら、悟りの境地に立てば全てが( このお経もまた )空であると自己否定をしています。
 「孫子の兵法」 は戦争のバイブルと言われる戦い方の優れた指導書ですが、戦いの技術を述べる前の一番最初に 「民のために戦は出来る限り避けなさい、戦い程むだな行為はない」 と戦争そのものを否定しています。

1-27. 多くは視点による
「ものを学ぶ人は利口か馬鹿か?」
「利口だ。」
「学ぶのは知らないからで、ものを知らない人は利口か?」
「馬鹿だ。」
「それでは、ものを学ぶ人は馬鹿だね?」
「利口になりつつある。」 ( 間違ってましたと答えるのがギリシャの詭弁論法 )
「私は沢山学んだ。 利口か?」
「覚えるだけなら犬でもコンピュータでもできる。 学んだことを行動の判断に生かせる者が利口なのだろう。」
「それでは、行動の判断と言う時の判断とは何?」  
「判断は視点で決まる( 前項参照 )。 良い判断をするには多くの判断を学べ。」
「良い判断と言うときの良いとは何?」
「それもまた視点による。」

1-28. 選択
 近代物理や宇宙論の発展は先ず仮説ができ、その証明を後から裏付けるパターンです。 朝永振一郎博士は中間子理論でノーベル賞を受けましたが、この研究中いろいろの仮説を次々と立て、数学の矢野健太郎博士が計算による裏付けを進めたそうです。
 昔中国で馬を育てる名人に二人の弟子がいました。 一方の弟子には 「良い馬」 の見方だけを教え、もう一方の弟子には 「悪い馬」 の見方だけを教えたそうです。 悪い馬の見方を習った弟子が沢山の馬の中から駄目な馬を振るい落し、その駄目な馬を除いた中から良い馬の見方を習った弟子が良い馬を育てたそうです。
 良い種を振るい落し、駄目な種を育てないよう気を付けて下さい。
「世に伯楽あり、その後千里馬あり」   〔 中国の諺 〕
( 馬を選ぶ名人の伯楽がいて始めて一日千里を走る名馬が生まれる )

1-29. 用意周到
 第一次、第二次大戦の時ドイツ軍は科学兵器の開発時にその技術が敵国に盗まれた時を考えてその防衛技術も同時に開発したそうです。 現在でも原子力発電所の事故が最も少ないのはドイツです。
 原子力に関する基本技術で世界の多くの国で特許に認められ、日本の特許庁では特許に認められなかった件があります。 その理由は実施する時の安全が確認されていなためでした。
 信号は故障すると必ず赤く点滅するように出来ています。 特に命に係わる発明は二重、三重の安全を用意してください。

1-30. 発見、発明から製品へ
 「セロハン同士をノリで付けてはがすと必ず一方の面にのみノリが残り、他方には残らない」 性質を発見した人がセロテープを製品として完成させました。
 「形状記憶合金」 はブラジャーに用い小さくたたんで持ち運べ肌に付けるともとの形に戻る製品として完成させました。 ( 乳を支えてツッパルなんて幸せだな~ )
 マジックテープはオナモミの形をそのまま借りて製品としましたが、この実用化はナイロンの発明とその加工技術が開発された後でした。
 養殖真珠を開発した御木本幸吉は 「塩に漬けた丸いガラス片を貝の中に入れる」 という特許を取りましたが、初期には貝が異物を吐きだすので成功率は1~2%でした。
 発明は俗に1000に3つといわれます。 3つの宝の発明には997個の底辺の広がりが必要です。

1-31. 寿命と予測
 三国史の天才、孔明に常に苦しめられた隣国の仲達は孔明の使者から色々孔明の状況を聞き出しました。 帰国した使者の報告を聞いた孔明は 「私の寿命を測った」 と怒りますが、仲達には孔明が死ぬのを待つしか打開策がなかったのです。
 国の寿命は中国では300年程度と言われています。 日本での産業の寿命は約30年程度でしょう。 最近の産業は石炭、鉄鋼、石油、自動車、計算機と流れています。
 製品の改良や開発の時、現在の製品の寿命を考え次の世代で必要となる機能、デザインを予測して下さい。

1-32. 諺
「二つの道の選択に困ったら第三道を選べ」   〔 ユダヤの諺 〕
  第三の道の創造を促す素晴らしい諺!  -私の座右の銘-
「案ずるより産むが安し」 -オランウータンへの忠告
「三人寄れば文殊の知恵」
  知恵だけではなく協力の相乗効果は3倍できかない、船で山にも登れるのだから。
「必要は発明の母」
  チチはどこ? -タネより ( 「〔 技術の 〕種は発明の父」 ? )
「百聞は一見にしかず」 -真理は逆だ! : 音楽家
       ---> 「百見は一触にしかず」  : チカン
       ---> 「百触は一食にしかず」  : オオカミ
「求めよ、さらば与えられん」  <---> 「窮すれば通ず」 、 「なせば成る」
「尽人事、待天命」  <---> 「果報は寝て待て」
 外国の諺と比べ日本の諺はスルとかヤルとか能動的な表現を避け、( 自然に )通ず、( 自然に )成る、待つ方のみを表現する、など無意識の内に受動的に教育されています。
「無理が通れば道理が引っ込む」   ( 「無理を通せば‥」とは言わない。 前項注 )
 ヤングと特許部用改版 「無理を通して道理を生む」

1-33. 遠近法
 絵や写真の風景は近景、中景、遠景を収め空間の奥行きを出そうとします。 歴史家は遠い時代ほど理解しにくくなるので、時代の遠近法と表現します。 作曲家は音の遠近法を曲の中に強弱で表現します。
 関心のあるものは大きく、関心の無いものは小さく感じるので、心の遠近法があってもよいと思います。

1-34. 象徴
 ユダヤの国イスラエルの国旗の中央には 「ダビデの星」 が輝いていますが、これは 「女の象徴の逆三角形」 と 「男の象徴の三角形」 を重ねた六角形で幸福と繁栄のシンボルと言われています。
 今述べたダビデの星の二つの三角形はどちらも女の象徴だと思う人はいますか?そうです、三角形は生命誕生の神秘を象徴しています。 ピラミッドは東西南北の四方を三角形で囲んだ 「再生の悲願をこめた墓形」 だったのでしょう。 ピラミッドパワーは神秘の力への期待と現実を混同した結果かもしれません。
 逆にピラミッドパワーは正四面体の中心が最大でしょうか?
 バミューダトライアングルも神秘的現象に三角形が駆り出されています。

1-35. 漢字
 漢字のデッサン力は最高です。 ただし、性に関する象形文字は儒教の時代に偏見により無理に隠されてしまったので、ここで誤解を解きたいと思います。
「女」 は第一画の書出の部分を曲げずにまっ直ぐ延ばすと、逆三角形の元の形に戻ります。 草書の文の中で逆三角形を読もうとすれば女をくずした 「め」 と読めるでしょ?
「士」 不思議なことにこの字は辞書に男の立った一物の象徴と明記されています。 中国語で士女とは日本語での男女のことです。 また武士、力士、博士、弁護士、騎士、紳士、操縦士、博士等の士は男の意味です。
 女編の字には 「姓、婚、嫁、婦、姉、妹、嬢、姐、等」 沢山あり、士編の字はありません。 これは母系制時代に漢字が形成されたためでしょう。 英語ではMANからWOMANができ、MANがWOMANも含む意味に使われますが、綴りが確定するのも印刷技術の確立する17世紀以後で、母系制の痕跡が少ないようです。
「姓」 命の誕生を表す記念すべき字です。 この意味の字が封建時代に生まれたとすれば士と生の組み合わせであったでしょう。
「仕」 この字の意味から考えると人としての男はやはり使用人でした?
「壮」 この字の偏は木を裂いた長い物で、意味と字の構成に感心します。
「壬」 士の字に指示の点が付いた形で精液です。 血と共に液体の象形文字です。
「如」 「吉」 「呈」 は上の各字に各々「クチ」が付いています。 これらの字が良い意味に使われている所からこれらの字の作られた時代のおおらかな性への理解がうかがえます。 如と吉の新しい読み方は各々クリニング、フェラチオです?
「妊」 受胎したことを別の象形で表現しようと試して下さい( 例えば 「好」 )。 この字のリアルな素晴らしさに感動出来ます。
「志」 古代中国でも心は心臓にあると考えられたはずで、組合せと意味が絶妙です。
「妥」 「婬」 「淫」 の各字の中の 「爪」 は手を横から見た象形です。 妥の字は前項と同じく良い意味に使われていますが、婬が淫らに感じるのは手を使うと燃え過ぎるからかも知れません。 淫の新しい読みかたはマスターベーションです?
「姦」 森、品、など1、2、沢山、の数え方は漢字の構成にも生きています。 意味と字形から後代の作でしょう。 姦のアラビア語訳は 「ハーレム」 です?
「卯」 男性の性器の象形ですが、歴史の途中から中の縦の二本線の先を開いて分からなくしています。 十二支占では 「卯( ウサギ )年生まれは色事の災に注意」 とあります。
「貿」 卯と貝の組合せです。 貝はハマグリか、ペニス状の貝か、それとも男を財産と見たか?
「柳」 木にブラブラするものの組合せです。 柳は 『強風に負けず微風になびく』 と中国で教訓に使われます。
「卵」 卯の玉々にギズがありますが‥。 中国語で卵子は睾丸の意味です。
「太」 「大」 の字と男子の股間の一物の指示の重ね合せでしょう。
「交」 男女の交わる部分を丸く写しています。 「ナベブタ」 は 「十」 だったか?
「色」 不思議なことにこの字も辞書に後背位の性交を横から写した図であると明記されています。 仏教では物質世界を現す言葉に成長しました。
「幸」 字は形から股を広げた上下の男と女がサオでつながった絵が想像でき、象形文字の最高傑作だと思います。 辞書には肉体を縛る刑罰用の枷( かせ )の象形で、心を縛るもの=心を占有するもの 即ち幸せであると解説されています。
「呂」 江戸時代に 「キス」 の代わりに使われました。 口と口の間の線は唾液かもしれません?( 本当は背骨の象形です。 )
「圭」 意味から考えて士を二つ重ねた男の中の男の意味だったかもしれません?

1-36. 命
 この世の最高の幸せは 「酔うこと」 であると言われています。 絵を描くことに酔いしれたゴッホ、柿色を焼き物に出そうと一生工夫し続けた柿衛門、ファウストを一生校正し続けたゲーテ、‥のように各人が自分の楽しみに酔えるよう祈ります。
「喜びがあれば喜びを生ける、
   悲しみがあれば悲しみを生ける」  : 生け花に酔う人
「色は匂えど散りぬるを、我が世誰そ常ならむ、
   憂の奥山今日越えて、浅き夢見路酔いもせず」
〔 酔う時、酒を分析したり、理屈をこねているとせっかくの酔いが醒めてしまいます 〕
 生きると言うことは、育ち、動き回り、子を残すことです。 科学的には風のように地球の表面にたまった太陽エネルギーの消費( エントロピーの増大 )に参加しているだけかもしれません。 しかし‥、だがしかし、物事に感動できる命はあまりにも素晴らしい営みです。 共に汗を流し、酔いつぶれてみようではありませんか!

1-37. 解釈は自由
 「創造」 の項で英国の助成金の例をあげ、 「始めから良いものを意識すると返って良いものが生まれないのかもしれません。」 と推測しました。 しかし、例の文は助成金の対象を選択した年と良い作品が出来なくなった年が同時に始まったとしか言っていません。 その原因は 「始めから良いものを意識したから」 とは言い切れません。 「映画というマルチメディア芸術を脚本で判断した間違いかも知れません。 」 、 「英国人の芸術性がその年以降衰退したのかもしれません。」 、 「良いと思われた映画の判断基準がその年以降変化したのかもしれません。」 、 「英国の経済不況が映画どころではない事態になったのかも知れません。」 、‥等理由は幾らでも考えられます。
 一つの解釈を述べている部分は極端な場合逆の解釈もできるということです。


2. 個人の発想法

・アイディア
 「アイディア」 とは思想とか発想とか思い付きで、対象を一つの面から見たものです。 ちょっとした日常の工夫、ナゾナゾや奇術や推理小説の種、化粧やオシャレのポイント、落語や漫才や4コマ漫画のオチ、短歌や俳句の着想、道具の使い方や機械操作や料理のコツ、戦略や企業のノウハウ、武道や芸道の奥義、カードの遊びや競馬の予想の時のカン、など対象が異なるだけでみな同じアイディアの仲間です。 また、衣食住の様式、言葉や文字の創造、宗教の教義、人生観や世界観、その他にも、会社経営法、スケートの滑り方、などのハウツウもの、発明や発見、物理の仮説、芸術作品にはアイディアが詰まっています。
注:何に関するアイディアかをここでは 「アイディアの対象」 、 「発想の対象」 または単に 「対象」 と呼び、主に解決する問題、改良する問題、開発する製品、とします。
注:特許法では特に技術に関係のある〔 新しい 〕アイディア( 発見を含む )を技術的思想と言います。

・良いアイディア
 「良いものは多くのものの中に散在する」 と仮定しましょう。 この文中の 「もの」 をアイディアに限定すると 「良いアイディアは多くのアイディアの中に散在する」 となります。 それには、 「沢山のアイディア」 が必要です。 またそれには、 「沢山の面から見直す」 ことが必要です。 また更にそれには、 「チェックリストの項を増やす」 ことが必要です。 そこで、以下のチェックリストには独断と偏見で多くの項目を追加しました。
 以上のようにイモヅル式に考えることを垂直思考と言います。 最初の仮定や途中のつながりに飛躍がないか気を付けて下さい。

・発想の心構えと環境
 発想の心構えとして、精神的には発想への意欲的な緊張が必要で、体はBGMを聞く等、リラックスした方がよいようです。 発想に良い条件は人によって違い散歩中、入浴中、就寝前後の時間、通勤電車の中、等いろいろだと言われています。
 特に布団の中は温かく筋肉の緊張がなく、暗くて気を散らさずに考えることに集中出来るので枕元にメモ帳を用意し発想を書き留める人もいます。
 寝てしまって夢の中で問題を解決した有名なものに 「ミシンの針の発明」 ( 二重縫い )、 「ベンゼン核の決定」 などがあります。
 良いアイディアが浮かんだら居眠りしていて怒られても 「今夢で解決できた。」 と言い訳ができます。
 命に係わる緊張は最も脳が働くそうです。 世界発明コンクールで数年連続優勝している日本人ですが、発想の前には脳に生きる緊迫感を与えようとプールで苦しくなるまで潜るそうです。
 軍隊では命令を聞き違えると命を落とすので、外国語の習得はその国で入隊することが一番早いといいます。 またハングリ精神は発想にもプラスに働きます。

・発想の障害
 常識は発想にはマイナスです。 ノーベル賞に輝く利根川博士は 「常識を疑うこと。 人と違う事をするのに違和感を持たないこと。」 と言う忠告を学生に与えています。  日本で太陽の色は赤が常識ですが、ヨーロッパでは黄色です。 また虹の色は七色と言われていますが本当に七色を確認した人はいますか? 世界の各地で虹の色は3~6色と言われています。
 習慣も発想にはマイナスです。 習慣化すると判断や迷いが省略でき行動が能率化される長所はあります。 例えば 「御飯にジャム」 は 『慣れていないので気持ちわる~く感じます』。 日本でも塩より砂糖が多く産出していれば塩漬より砂糖漬の保存の方が一般に採用され 「パンにジャム」 と同じく習慣化していたでしょう。
 先入観も発想にはマイナスです。 「五感」 と言う言葉が先入観となって感覚と言えば五つしか思い付きませんか? 他にどんなものがあるか自分で考えてみてから特性分析法の表の中の感覚特性を見て下さい。
 科学者でも法則に合わない測定値を安易に捨てる人が多いようです。
 鳥には始めて見た動く物を親と思い込むプリンティングと言う本能があります。
 偏見も発想にはマイナスです。 他人の批評や評判を鵜呑みにせず自分で考え納得する癖を付けて下さい。 一つ一つ体験して納得するのが一番身に付きますが、授業料は高くつきます。
 常識、習慣、先入観、偏見に逆らって物事を別の面から見直すのは大変困難です。 そこで沢山の視点から簡単に対象を見直す発想法が多く開発されています。 これらの発想法はしばしば目前の問題の解決に利用されるので問題解決法とも呼ばれます。 以下順に紹介しましょう。

2-1. 特性分析法
 特性分析法は対象物を中心に置き 「穴のあく程見つめる」 手法で、特性分析チェックリストを使い色々な面から対象を再認識します。 特性分析チェックリストは特性ごとにグループ分けしてあり、各項目を視点とし対象を見直すと単に見落としを防ぐばかりでなく、その項目と対象が結び付いて新たな発想が生まれます。
 物の開発や改良の時に特性分析チェックリストがなくても必ずチェックしてほしい項目は 「特徴点の強化」 、 「欠点や障害の克服」 、 「将来への展望」 の三点です。
 この三つは親が子供を育てる時にもぜひ心掛けて欲しい テーマです。
 この手法は 「物」 の開発等の他に、例えば 「彼女と結婚するべきかどうか?」 と言うような日常の問題に対しても有力です。 彼女の身長や体重や性格のチェックばかりでなく環境や社交性等のチェックに使えます。 結婚前に両目を開けて彼女を穴があく程見つめるのはいいことですが、間違って穴をあけてしまったら結婚してウインクして下さい。
〔 「結婚前は両目を開けて見ろ、結婚したら片目をつぶれ」  : 西欧の諺 〕
 漢字で 「見、観、診、看、相、視、察、監、覧、観、督、瞰、‥等」 は日本語の訓で読もうとすると 「みる」 としか読めず、 「みる」 と言う単語しかありません。 その代わり日本語では 「みる」 は 「みえる、みつめる、みかける、みとおす、みすごす、みわたす、みかえす、みさだめる、みとる、みかぎる、みきわめる、みそめる、・・など」 後ろにいろいろな単語をぶらさげた複合語を作っています。
「見飽きたものを見捨てず、見過ごしやすいものを見落とさず、
  見慣れたものを見直し、見知らぬものを見極め、
  見所のある人を見逃さず、見込みのある人を見いだし、
  見上げた人がいれば行って見習い、見下す人がいても見返したりせず、
  見掛け倒しの人がいれば見栄を張らなくても良いと言い、
  見ニクイ人がいれば行って見リョクを探してあげる、
   そういう人に私はなりたい」 〔 宮沢賢二? 〕
 特性の分析だけを焦点とするなら、比較分析が良い方法です。 言語の分析、人種の分析、宗教の分析、人格の分析、会社の分析、制度の分析、等似ているもの同士の相違点から各々の違いと特徴を再認識してください。

特性分析のチェックリスト
機能特性特徴・欠点、障害・問題点、効果・効率、強度、馬力、 耐久性、操作性、簡易性、理想型、入出力、サービス性、付加価値
形状特性形、体積、構造、重量、原料、表面、収納、装飾、理想形、対称形
環境特性天気( 晴・曇・雨・風・雪・嵐・台風・アラレ・雹、虹 )、気候( 温度・湿度・気圧・風速、熱帯・温帯・寒帯 )、 地勢( 山・谷・沢・平野・盆地・川・湖・ダム・砂漠・地質・地震 )、位置( 方位・高度・深度・緯度・経度 )、地上・地下、水上・水面・水中・水底、空中・成層圏・大気圏・商業特性- 利用性、経済性、製造性、運搬性、携帯性、流行性、特異性、保守性、保存性、採算性、改良性、利用者層、生産・消費材、市場占有率、景気、回収性、再利用可能性
時間特性連続性( 秒・分・時・朝・昼・夕・夜・日・旬・月・季節・年・世代・時代、過去・現在・未来 )、一過性、断続性、間欠的、周期性・規則性( 楕円運動・潮の満干・周期律表・生体リズム )、処理時間、処理手順、時間配分、時間帯、不可逆性、同時性、寿命・リバイバル
空間特性上下・左右・遠近・内外の関係、乖離・接触・交合・包含の関係、1~N次元の変換、ミクロ・マクロの世界への適応、トポロジー
論理特性ブール代数( 論理和、論理積、否定、排他、排他論理和 )、弁証法、二律背反、演繹・帰納・背理、幾何的・解析的、ベクトル的、確率的 、行列、位相
社会特性人種・民族、村・町・都市・国家、階級、冠婚葬祭、個人・家庭・学校・職場、乗り物・建物の内外、家具・道具・衣類、情報交換、善悪、習慣、法律( 立法・行政・司法、ワイロ )、産業( 生産、工業、鉱業、農業、製造業、林業、漁業、窯業 )
生物特性生命( 誕生・成長・老化・死、分裂、性・雌雄・交尾・受精 )、循環系( 血液・心臓、腎臓・膀胱・尿、リンパ液・免疫 )、呼吸系( 肺・葉緑素、酸素・炭酸ガス )、構造系( 骨、筋肉、皮膚 )、神経系( 感覚、脳、自律神経、反射神経、ニューロン、通信、錯覚 )、消化系( 口・歯・食道・胃・腸・肝臓、分解・吸収・排泄、栄養、酵素、食物連鎖、 )、進化・遺伝・退化、遺伝子・細胞、再生、肥満・痩身、攻撃・防御、縄張り、叫び、歌、健康・病気、美醜、体温、バイオニクス
感覚特性聴覚( 音色・強弱・音階・拍子、耳・鼓膜 )、味覚( 甘・辛・苦・酸・まろやか;舌 )、視覚( 輪郭・明暗・色調・彩度・立体感・遠近感;目、残像、焦点、視線、盲点 )、臭覚( 臭気・芳香・焼臭、鼻 )、触覚( 圧感・痛感・温感・冷感・性感;皮膚、毛、大気圧 )、筋肉覚( 震え・コリ・ツル・重量感・疲労感 )、内蔵覚( 空腹・満腹・渇き・吐気・便意・尿意・酸欠 )、運動覚( 方向感覚・平衡感覚・加速度感;三半規管 )、神経覚( 眠気・覚醒・陶酔・白け・シビレ;脳 )、快・不快、第六感
感情特性喜怒哀楽、気性( 短気・呑気・荒い・激しい )、焦り
精神特性恋・愛、好嫌、欲、恐れ、尊敬・軽蔑、執着・淡白、反抗・従順、ストレス、宗教、趣味、空想、連想、優越・劣等感、悲観・楽観、主観・客観
能力特性認識、計算、思考、判断、記憶・忘却、空想、分解能、自己認識

2-2. 類比技法 ( SYNECTICS ) 
 類比技法は 「お隣さんはどうしてるか聞いてみよう」 式の解決法です。 解決したい対象と似た物を探しその解決法、知恵、形、色、音、等を借ります。 言葉や文字の創作も自然から借りることで成り立っています。 ただし特許の成立した技術を当然無断で 「マネて商売をすること」 はできません。
イ.直接類比-似た技術、似た知識、似た人種、似た年齢、など似たものと比較し他者の解決法を真似します。
・マジックファスナーは野原で服に付いたオナモミの実の先の鍵状をそのまま真似して作られています。
ロ.象徴類比-感覚的に似たものと比較し他者の解決法を借ります。
・命名に似た物の名前で区別する( 身体の例:石頭、イガ栗頭、猫額、ドングリ眼、鳥目、鼓膜、地獄耳、角膜、富士額、馬顔、童顔、ワシ鼻、獅子鼻、団子鼻、段鼻、犬歯、門歯、臼歯、猫舌、山羊髭、親指、鉄面皮、鳥肌、鮫肌、餅肌、鳩胸、猫背、太鼓腹、柳腰、大根足、O脚、等 )
・本来と別な意味を現わす借用名( 例:孫の手、猿の腰掛、蛇ノ目、魚の目/ヒトデ、海猫、蛇腹、鉄火、カッパ、カゲロウ、アスナロ、( お )面、エッチ、デバガメ/助兵衛、土座衛門、お釈迦/貝割れ( 菜 )、鳴門( 巻 )、阿弥陀( クジ )/井桁、デルタ/矛盾、蛇足、白眉、極道/麦酒、煙草、硝子/等 )
ハ.異人類比-超能力者、2重人格者、赤ん坊、異人変人、他生物、他国人、などに変身したと想像して回答を探します。
・米国でスーパーマンに変身したとして回答を探すことがかつて流行しました。
ニ.擬人類比-自分が対象物に変身したと想像して回答を探します。
・鉛筆削器は人に催眠術で鉛筆だと暗示を掛け削られていく感覚をヒントに開発したと言われています。
ホ.等価類比-性質の類似した物の関係から発想します。
・電流の解析を水流で、素粒子の解析を星と対比して検討した例があります。
 昆虫の生態、例えば毛虫から蛹や蝶への変態、アリの分業社会や臭い印による餌場の伝達、など驚きは計り知れません。 また動物の消化、親との類似性、ケガの修復、免疫、体温維持、感覚、再生、進化、など生きていること全てが奇跡で、借りてくる種に不足しません。
 類比技法では生物から最も良く借りてきます。 特に生物を研究し工学に取り入れる学問の分野が1960年代にバイオニクス( BIONICS, 生命工学 ) として誕生しました。
 身近かな例ではレーダの開発にコウモリを研究したり、視覚の研究に走行生のビィールスを検討したり、ニューロコンピュータの研究に最も原始的な神経細胞を持つイカを検討したり、チューブの口の逆流防止に肛門を検討したり、蛋白質の合成に細胞組織を検討したり、ロボットの製造に手の構造を検討したり、‥。
 言葉は音と叫びを借りたのが始まりです。 日本語には、音をそのまま借りた擬音語や擬態語がたくさん残っていますが、これは音に敏感で言葉の発達の遅れている証拠でしょう?
 「カラッとした性格
  キリッとした眉
  クルッとした目の恋人が
  ケロッと約束忘れて
  コロッと死んだ」  : カ業手伝い
「ガタガタ言われて
 ギクッとしたが
 ゲロ吐いて
 ゴタゴタ避けた」  : G業員
 最後のゴタゴタは 「ガラガラ、ギザギザ、グリグリ、ゲジゲジ」 と同じく名詞です!
 文字は物の形を借りています。
「A」 は角のある牛の顔を借り逆さまにした文字です。
「M」 は水の流れをギザギザに写し横にした文字です。
「D」 はギリシャ文字デルタを横にして右側を丸く下文字です。
「デルタ」 女性の性器を逆さまにした文字です。 楔形文字では逆三角形のままです。
 ギターを作った人は女性の体形を借りたようで、指で音をかなでる所の丸い穴はあの位置にしています。 近年ではコカコーラのビンのデザインに女性の肉体美を取り入れたのが最初で、次第に多くの物の形にも取り入れられて来ています。

2-3. オズボーンのチェックリスト法
 オズボーンのチェックリスト法は科学的な変形、例えば温めたり,延ばしたりしたらどうなるかと考えてみる手法です。
 この手法も 「俳句の創作」 など物理的な実体を持たない問題の解決、例えば、句のなかの雀を 「大きくして」 ウズラにしたら感じがどうなるかなど十分利用できます。 ただし、この場合ヤキトリにして味覚まで比較検討するのは味わい過ぎでしょう。
オズボーンのチェックリスト
全体と部分のに対し、拡・縮化、強・弱化、単・複化、長・短化、精・粗化、厚・薄化、明・暗化、乾・湿化、硬・軟化、加熱・冷却、濃・淡化、密・粗化、浮・沈化、酸化・還元、重量化・軽量化、独立・従属化、混合・精製、凝固・融解、気化・液化、昇華、磁化、変形、ひねり、移動、回転、他への・他からの転用、したらどうなるか?
部分に対し、組換え、倍加、削除、結合、分離、したらどうなるか?

2-4. 逆転の発想
 逆転の発想はアマノジャクの発想法です。 科学的な反対の変形は先のチェックリストで間に合いますが、 「可・不可」 「善・悪」 「好・嫌」 等について特に固定観念を全く反対に考えて見て下さい。 発想法の中でも多く応用されています。
 逆転の発想として有名なのは、天動説に対するコペルニクスの地動説です。
 哲学者はかつて 「過去の先に未来が築かれる」 のではなく 「未来が過去を浸食する」 と悦に入ったそうです。
 台風で収穫前に沢山のリンゴが落ちてしまい絶望しましたが、‥傷ついたリンゴは 「ヒョウに会い傷モノだが、返って実がしまりおいしい」 と売った。 傷のないリンゴは 「落ちないリンゴ」 と宣伝し受験生に売った。
 漢字は基本的に部首の付加により段々複雑に作られてきました。 「烏」 ( カラス )という漢字はカラスの体が黒くて目が何処にあるのか分からないので 「鳥」 の目に当たる一画を除いた字形となっています。
 戦国時代に城下町は敵に容易に攻められないよう曲がりくねって作るのが常識でした。 織田信長は名古屋の城下町の道を逆に広く真っ直ぐに作らせたので商業が大いに発達しました。 ( 最近は自動車事故死が常に高い汚名を被っています。 )
 数学の背理法は 「Xがないとすると矛盾する。 従ってXは存在する。」 という証明法です。
 「Xがないとすると矛盾する」 が正しいと言えても、だから 「Xがあるとは言えない」 と別の数学原理を築こうとした人もいました。
 「一組の夫婦と青年がいて、主人の留守中に婦人が青年を誘惑し青年が断ると婦人が逆に青年に誘惑されたと主人に告げる」 という筋の古い物語が中国、インド、ギリシャに共通してあります。 状況や結果はそれぞれの国により異なっていますが。
 ICカードを利用したサービスマークの集計システムで特許の取り残された部分を検討していて、カードレスのベルマーク集計システムを思いついた。
 お茶の時食べるお菓子は砂糖を固めたラクガンで甘味がお茶の渋味を引き立てます。 お汁子はひとつまみの塩を入れると、少ない砂糖でも物凄く甘く感じます。 花咲爺さん、こぶ取爺さん、白雪姫など主人公が悪役よにり引き立てられています。
 ギリシャ神話では人の苦悩と災難を閉じ込めたパンドラの箱が開けられてしまい、それ以後人は苦しむようになります。 このパンドラの箱の中には 「希望」 も入っていました。 希望のために 「耐えがたきを耐え、忍び難きを忍ぶ」 訳ですから、希望が苦悩と災難を生き生きとさせるのです。

2-5. 強制関連法( 水平思考 )
 強制関連法は 「インドのジャンルクと掛けてへたな床屋と解く。 その心は?」 答 「いつもトラ刈りばかり」
 このナゾナゾの応用です。 先ず対象( ジャングル )と全く関係のない言葉をキーワード( へたな床屋 )として採用します。 このキーワードから連想されたものと対象とを無理やり結び付けて発想します。 キーワードと対象とは関係がない方が返って今までと違った見方ができると言う訳です。
 キーワードが対象と関連がない発想を特に 「水平思考」 と呼び、1970年代にブームとなりました。 これに対しイモヅル式の考え方を 「垂直思考」 と呼びます。

2-5-1. 強制連想法の手順
( 1 ) 「一つの言葉」 をキーワードとして選びその特徴、特性、欠点、‥などすぐ連想されるものを思い浮かべる。 キーワードは近くのポスターの中の文字でもよいし、隣の人の性格でも何でかまいませんが、キーワードを探す次のような手ががりが提案されています。
・各種一覧表-カタログ、大学の学部リスト、百科辞典索引、を参考に広範囲な視点から連想のキーワードを探す。
・諺や名言等-言葉、文脈、表現法、訓意、反語、因果、対比をヒントにキーワードを探す。
・雑誌や辞書-開いた頁の最初の言葉をキーワードとして採用する。
( 2 ) その連想されたものと開発、改良、解決すべき対象とを重ねたり、混ぜたり 、組合わせたり、‥して発想します。

2-5-2. 強制連想法の演習
強制連想法は発想の技法の中で最も面白い手法です。 具体例を示しましょう。
( 1 )対象 :「新しいプログラムの開発」
( イ )発想のキーワード:「酸化」 ( このキーワードは特性分析法の単語を借りた )
「 赤くさびる」-「 表示画面中の一部が時間とともに段々赤くなり、目を休ませることを知らせる」-「ニューロの学習プログラム( 時間と共に質が変わる )の学習程度が長さの割合で色表示される」
「 身が痩せる」-「 処理のたびに以後の処理に必要な部分をテーブル化し、 必要とする作業領域がだんだん少なくてすむ」
「 時間で質が落ちる」-「 データへのアクセス資格が時間とともに低くなる: 入力時は部長だけ見れる,一年後は課長までみれる, 二年後は皆が見れる」
( ロ )発想のキーワード:「魚」 ( このキーワードは雑誌の写真から取った )
「 ウロコ」-「 少しずつずれて重なっている」-「 直前の処理で不要となったデータの末尾部分に次の入力データが上書きされる」
「 熱帯魚」-「 原色の対比が鮮やか」-「 表示画面中の各ウンンドウ毎に文字の色と背景色が 各々異なる反対色で表示される」
「 エラ」-「 酸素の供給」-「 周期的に作業領域の不要なデータを回収し空き領域を初期化する」
「 深海魚」-「 深くなるほど圧力が高くなる」-「 負荷量の増加した端末の要求程、センター処理装置での実行優先権が高くなる」 -「取引数が増え関係が深くなる程そのユーザの処理優先権が高くなる」
「 ヒレ」-「 両側で体を支える」-「 主処理装置と無関係に、 周辺処理装置がお互い同士で負荷の調整をする」
関連ない物の中につながりを見い出す練習もしてください。
「身熟-夜与戯-腹熟-子生也」 -E線いってる 
「新宿-代々木-原宿-渋谷」 -山手線


3.グループの発想法
   - ブレーンストーミング法
    ( BRAIN STORMING-頭脳攻撃 )


 ブレーンストーミング法は 「三人寄れば文殊の知恵」 の西洋版で、親切な実施細則が書かれています。 これは、グループによる発想の相乗効果を期待する手法で、グループの各メンバーがお互いに連鎖反応的に発想し会います。

3-1. ブレーンストーミング法の基本ルール
( 1 )固定観念に捕らわれず自由奔放に連想、発想する。
奇想天外を歓迎します。 「風が吹けばオケ屋が儲かる」 式に考えて下さい。
( 2 )他人の発言や自分の発言内容に対して、良い悪いの批判をしない。
これは特に重要で 「批判」 を全く止めることです。 始めから「良いアイディア」を意識したり、連想の種の良否を考えだすと、連想や発想そのものへ集中する事がおろそかとなり、連想や発想にブレーキが掛かります。
( 3 )発想の質より 「量」 に重点を置く。
多くのアイディアを得ることは無駄なようですが、多くのアイディアは 「良いアイディア」 を得るための必要な無駄なのです。
( 4 )他人の発想に便乗して更に連想、発想を加えて雪ダルマ式、または連鎖反応的に発想をかき集める。
   ( 1~2時間が適当 )。

3-2. ブレーンストーミング法の進行法
( 1 )自由で愉快でくつろいだ雰囲気をつくる。
-身体的にはBGMを聞きながらとか、ソファにゆったりとしてとか、くつろいだ方が良いと言われています。
( 2 )会のリーダが発想の目標物と連想の 「キーワード」 とを与える。 ( 1テーマ/1回 )
-キーワードついては、強制関連法を参照して下さい。
( 3 ) 「キーワード」 や 「連想されたもの」 を皆が見える様に書き出す。
-目を通して意識にフィードバックすることを意図しています。
( 4 )連想されたものと対象から発想し、それらを書き出す。
-( 3 ) と( 4 ) は強制関連法を採り入れ分けた方がたくさん発想がえられます。
( 5 )発言をある程度強制する。
-精神的には対象の解決を強く意識することが必要です。
( 6 )一定の発想が出た後、特定の別の 「キーワード」 を選んで以上の発想を返す。
( 7 )議事録を回し2~3日後に各自連想、発想を加えて再度繰り返す。

3-3. ブレーンストーミング法の変形
( 1 )ブレーンライティング法( BRAIN WRITING )
 発言の少ないドイツ人用に考えられた変形であり、黒板の代わりに適当な用紙を使い、順に回し前の人の発想から生じた発想を書き加えてゆきます。
( 2 )逆ブレーンストーミング法
 連想されたものの批判と欠点ばかり考えるブレーンストーミングであり、アイディアの選択、製品の欠点の認識に有効です。 また一つのテーマに対しブレーンストーミング法と逆ブレーンストーミング法を繰り返してアイディアを選択したり、磨いたりすることができます。
( 3 )ゴ ドン法
リーダは参加者に目標物を知らせず、その抽象的性質を 「キーワード」 として提示し連想物をかき集める。 次第に対象物に近い具体的な 「キーワード」 に絞って連想を繰返えし、最後に具体的に対象を示し、この対象と全ての連想物とから発想します。 この手法は、特性分析法が対象を中心として段々広く考えてゆくのと丁度逆のアプローチです。


4.発想法の応用

 ブレーンストーミング法では黒板を使いましたが、個々の発想をカードに書けば発想を組み合わせたり、まとめたり、分類したり、アイディアの関係を図解したり、メモを加えたり、持ち歩いて電車で見たり、お菓子を乗せたり、こよりにしてヒモとしたり、トイレでチリ紙にしたり、折り紙にしたり、メガネを拭いたり、本の栞にしたり、燃やして明かりにしたり、‥いろいろ役に立ちます。

4-1. NM法( NMはこの手法を開発した中山正和氏のイニシアル )
 個々の発想や連想されたものを書き込んだカードを時間・空間等を考えていろいろに分類配置し組合せて発想する手法をNM法と呼びます。
 NM法はカードの特徴を十二分に活用してキーワード、連想物、対象物( 問題点 )と発想の関係を深く追求しました。
 先に書いた強制関連法の演習を例に解説しましょう。

 キーワードや連想物の特徴を対象または対象の部分に適用する。

4-1-1.強制関連法の演習( ロ ) の分析( 1-5-2. ) その1
イ.キーワード 「魚」 の連想物
---> 「ウロコ」
ロ.対象 「新しいプログラム」 で 「ウロコ」 で思い付くものは何か?
---> バッファ
ハ. 「ウロコ」 の特徴は?
---> 「 少しずつずれて重なっている」
ニ.この特徴をバッファに当てはめると?
---> 「 直前の処理で不要となったバッファの末尾部分に次の入力データの先頭が上書きされる」

4-1-2.強制関連法の演習( ロ ) の分析( 1-5-2. ) その2
イ.キーワード 「魚」 の連想物
---> 「熱帯魚」 ---> 「原色の対比」 ( =熱帯魚の特徴、又は2段階の連想 )
ロ.対象 「新しいプログラム」 に 「原色の対比」 で思い付くものは何か?
---> 画面のウィンドの文字と背景色
ハ.具体的な技術としては
---> 「 表示画面中の各ウンンドウ毎に文字の色と背景色が各々異なる反対色で表示される」

4-1-3.強制関連法の演習( ロ ) の分析( 1-5-2. ) その3
イ.キーワード 「魚」 の連想物
---> 「ヒレ」
ロ.対象 「新しいプログラム」 に関して 「魚とヒレ」 の関係で思い付くもの?
---> 中央処理装置と周辺処理装置
ハ. 「魚」 と 「ヒレ」 の関係はなにか?
---> 「魚体をヒレがバランスを取って支える」
ニ.ロとハの答えを対比し代入する
---> 中央処理装置( 魚体 )を周辺処理装置( ヒレ )がバランスを取り支える
ホ.全体を対象の世界の言葉に置き換る
---> 中央処理装置に対し、周辺処理装置がお互い同士で負荷の調整をする

さらに以上の分析で求めたいものをXとして連想対応式?にすると 
1. 「キーワード:特徴点=対象物:X」
例: 魚:ウロコ=新しいプログラム:X(  X=バッファ )
2. 「キーワード:連想物=対象物:X」
例: 魚:( 熱帯魚 )原色=新しいプログラム:X(  X=カラー表示 )
3. 「キーワード:連想物=対象の部分1:対象の部分2」
例: 魚:ヒレ=X1:X2(  X1=中央処理装置,X2=周辺処理装置 )
そして、左辺の2項の間に見いだされた関係を右辺に応用する。
( キーワードを連想物に置き換えたり、対象物をその部分におきかえたり、左辺のキーワードや連想物を各々連想物1と連想物2に置き換えたり、‥して下さい。 )

4-2. KJ法( KJはこの手法を開発した川喜田二郎氏のイニシアル )
 KJ法はアイディアの発想法と言うより、群盲に象を知ってもらう手法です。
 これは川北氏が南方民族と生活を共にし、見聞きした個々の生活の断片をカードに記録しておき報告書をまとめる時に開発しました。
 漠然とした問題、例えば 「我社の動向は?」 とか 「若者の好みの傾向は?」 という時、問題に関する多くの断片的な知識をカードに書いて集めグループ化を繰り返し、ボトムアプに全体像を積み上げる手法です。
 まず内容の似たカードを寄せ集めて一つのグループとし、そのグループの中の内容を必要最小限に含む見出しを付けます。
 この見出し同士で似たものをさらに大きなグループとして同様に見出しを付けて行きます。 これを繰り返し大きな紙に全部を書出し、各グループ間の関係を線で結び全体を簡単な文章に表現してまとめて、全体像をつかみます。
 貴方がでたらめに心に浮かんだたくさんの言葉( 20語以上 )を集めてKJ法でまとめると、自分の無意識の関心事がアブリ出されてくるかも知れません?

4-3. 図表等の利用等
 散在するデータを表にまとめて見るのは欠けてる部分がすぐ分かり便利です。 沢山の元素を発見するきっかとなったメンデレエフの周期律表はこのよい例でしょう。
 人体図を利用しましょう。 今仮に、計算気システムの中で脳がOS( オペレーティング・システム )で食物は入力、仕事は出力とすれば、肺や心臓や肝臓や腎臓は各々どんな機能を持つプログラムで、どの様に組み込めばよいかを検討してください。 入力は五感と仮定するとどうなるでしょう。
 生物システムのノウハウをいろいろなシステムの中に取り込んで下さい。
 一般に文章化するのは問題点を整理したり、対象をつかむ良い方法です。 新聞の記事のように5W1Hを強く意識し、各項を箇条書きにすると更に判り易くなります。
 次に文章の中の名詞、動詞、形容詞、等を取り出してキーワードとすれば、強制関連法へ展開して行きます。 名詞は似たモノを探す手掛かりで、動詞は似た機能を探す手掛かりで、形容詞は似た形状を探す手掛かりです。 キーワードに動詞、例えば 「取る」 を採用するとさまざまな取り方が想像でき、その取り方を対象と結びつけるといろいろ発想が浮かびます。
 難解だった幾何の問題が一本の補助線で簡単に解けた経験があるはずです。 図解ににる効果は文章より強力です。
 物の開発の時は模型によるシミュレーションが大変役立ちます。
 夏目漱石の作品は発表された順に読んでみる価値があります。 年齢と共に彼自身が大きく成長しながら次々と作品を創造してゆく感激は忘れられません。
 エジソン、ファーブルの昆虫記、等も発想には良い本です。
 漫画でもサザエさん、フジ三太郎、火の鳥、刈上げ君、等は発想に最適です。